工場の波形スレート屋根特有のフックボルト周りから雨漏りが発生し、原因や対処法が分からずお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、フックボルトの役割と雨漏りが起こる主な原因、部分補修と全体改修それぞれの対処法を解説します。
フックボルトは、波形スレートをC型鋼などの下地に引っかけて固定する金具です。スレートの山(凸部分)に開けた穴にフックボルトを通し、下地に引っかけたうえでナットを締めて固定します。ボルトとスレートの間には、雨水の浸入を防ぐためのパッキンが挟み込まれており、このパッキンが本来の防水機能を担っています。
フックボルトに組み込まれているパッキンは、紫外線にさらされ続けることで硬化し、ひび割れを起こすことがあります。また、工場設備の稼働による振動が屋根に伝わることで、パッキンがずれたり潰れたりするケースもあります。こうした劣化によって生じたわずかな隙間から、雨水が浸入します。
フックボルトは金属製のため、経年とともに錆が進行します。錆によってボルトが腐食すると、ナットの緩みや、ボルトと穴の間にできたわずかな隙間から雨水が浸入しやすくなります。
過去の補修でフックボルトを増し締めした際、力を加えすぎたことでスレート自体にひびが入り、そこから新たな雨漏りが発生するケースもあります。スレートは経年で脆くなっているため、締め付けに対する許容範囲が狭くなっている点に注意が必要です。
劣化が軽度であれば、劣化したパッキンの交換や、緩んだボルトの増し締め、腐食を防ぐボルトキャップの設置といった部分補修で対応できる場合があります。ただし増し締めを行う際は、締めすぎによって新たなひび割れを招かないよう、適切な力加減で行うことが重要です。部分補修は費用を抑えやすい一方、雨漏りが複数箇所で発生している場合や、スレート自体の劣化が進んでいる場合には、対応しきれないこともあります。
フックボルト周りの雨漏りが複数箇所に及ぶ場合や、部分補修を繰り返しても再発する場合は、屋根全体の防水性を見直す改修が必要になります。一般的な工場屋根には数千本単位のフックボルトが使用されているため、1箇所で劣化による雨漏りが始まった場合、他のボルトも同様に寿命を迎えているケースがほとんどです。個別に補修を続けても「モグラ叩き」状態になりやすいため、液状の樹脂を吹き付けて、重なり目やボルト周りまで連続した防水層をつくるスプレーカバー工法なども対策の一つです。
フックボルト周りの雨漏りは、パッキンの劣化やボルトのサビ、過去の増し締めによるひび割れなど、複数の原因が重なって発生します。軽度な劣化であればパッキン交換や増し締めなどの部分補修で対応できますが、雨漏りが繰り返し発生する場合は、対症療法だけでは追いつかなくなっていきます。
重なり目やボルト周りまで連続した防水層をつくる全体改修も含めて、自社工場の屋根の状態に合った方法を検討することが重要です。
工場のスレート屋根の強度に不安がある方は、まずは専門的な診断を受けることをおすすめします。そのうえで、適した業者に依頼しましょう。



※1 参照元:トヨコー公式HP(https://www.toyokoh.com/sosei/)2025年12月時点の公式サイトの記載より
※2、3 参照元:テイガク公式HP(https://yanekabeya.com/esunuki/)
※4 2025年11月18日にGoogle検索「工場 屋根改修」と検索した際に表示された上位25社の業者のうち、工事保証期間が最長。葺き替えと金属製の棟下地を組み合わせた特定の工事を行うことが条件となります。
※5 参照元:綿半ソリューションズ公式HP(https://wkcover.jp/)