スレート屋根の熱伝導率とは

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夏場の工場内の暑さ対策を考える中で、「スレート屋根は断熱性能が足りないのではないか」と感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。断熱性能を判断する指標の一つに「熱伝導率」がありますが、数値の意味や屋根全体の断熱性との関係は、分かりにくい面があります。

本記事では、熱伝導率の基本的な考え方と、スレート屋根の断熱面での特徴、断熱性能を高める改修の考え方を解説します。

熱伝導率とは何か

数値が高いほど熱を伝えやすい

熱伝導率とは、材料の熱の伝わりやすさを表す物性値で、単位にはW/(m・K)が用いられます。数値が高いほど熱を伝えやすく、低いほど熱を伝えにくいことを示します。

また、熱伝導率は材料そのものの性質を示す値で、厚みには左右されません。一方、屋根全体の断熱性能は、熱伝導率だけでなく、材料の厚さや層の構成などによっても変わります。そのため、スレート屋根の断熱性能を考える際は、屋根材の熱伝導率だけで判断することはできません。

スレート屋根の
断熱性能の特徴

薄い板状で、断熱材を持たない構造

波形スレートは、JIS A 5430(繊維強化セメント板)に規定されるセメント系の屋根材で、規格寸法上の厚さは6.3mmと薄い板状です。せんい強化セメント板協会の技術資料では、スレート波板の熱伝導率は0.35W/(m・K)とされています。

スレートは屋根材として使用されるもので、断熱材とは役割が異なります。そのため、断熱材を併用していない工場の屋根では、スレート単体では断熱性能を十分に高めにくい構造といえるでしょう。

経年劣化が断熱面に
与える影響

熱伝導率はスレートという材料に固有の値ですが、劣化が進んだ屋根では、屋根材の状態や水分の影響など、別の要因も関係します。紫外線や雨風の影響によってスレート表面の塗膜が劣化すると、防水性能が低下し、雨水を吸収しやすくなる場合があります。

水分を含んだ材料は、乾燥した状態よりも熱を伝えやすくなるのが一般的です。ただし、スレート屋根について、劣化によって熱伝導率がどの程度変化するかを一律に示すことはできません。熱伝導率の数値だけでなく、既存屋根の状態もあわせて見ることが大切です。

断熱性能を高める
改修

既存のスレートを残したまま断熱性能を高めるには、断熱材などの層を屋根の上に追加する方法が基本となります。なお、断熱は「熱の伝わりを抑える」考え方であり、日射を反射して屋根表面の温度上昇を抑える「遮熱」とは仕組みが異なる点にも注意が必要です。

断熱材を追加するカバー工法

カバー工法は、既存のスレート屋根の上に金属屋根を重ねて施工する改修方法です。金属屋根材には断熱材が一体化されたタイプがあるほか、既存屋根と新しい屋根材の間に断熱材や防水シートを挟む方法もあります。断熱材を組み込むことで、スレート単体の状態と比べて熱が伝わりにくい構成にしやすい点が特徴です。ただし、新しい屋根材の固定には母屋や下地に一定の強度が必要なほか、屋根全体の重量が増える点にも注意が必要です。断熱材の種類や厚さによって性能が異なるため、採用する製品の仕様を確認することが欠かせません。

遮熱塗料による塗り替え工法

塗り替え工法は、屋根表面に塗料を塗布する方法で、遮熱性を備えた塗料を使うと、日射を反射して屋根表面の温度上昇を抑える効果が期待できます。熱の伝導を抑える断熱材とは仕組みが異なるため、断熱性能そのものを高める工法ではありません。また、塗装は屋根表面の保護が中心であり、雨漏りや下地の劣化がすでに進んでいる場合には効果が見込めません。耐用年数も他の工法と比べて短く、定期的な再塗装が必要です。なお、築年数によってはスレートがアスベストを含む可能性があるため、塗装前の下地処理の方法は、事前調査の結果をふまえて業者に確認する必要があります。

吹き付け材による断熱層の付加

吹き付け工法は、液状の樹脂をスレート屋根の上に吹き付けて、断熱層を含む層を形成する方法です。吹き付けた層の断熱性能は、使用する材料の熱伝導率と施工の厚さによって決まるため、具体的な性能は製品の仕様書や試験データで確認する必要があります。防水と同時に外断熱を施せる工法として、三層の特殊樹脂を吹き付けることで、防水・断熱・補強などの効果を持たせるスプレーカバー工法(SOSEI工法など)も選択肢の一つです。

どの工法にも向き不向きがあるため、一つの工法にこだわらず、屋根の劣化状況や下地の強度、操業への影響などをふまえて検討することが大切です。

まとめ
熱伝導率だけでなく劣化状態も
踏まえた改修判断が必要

スレートは断熱材として使われる材料ではなく、断熱材を併用しない屋根では、スレート単体での断熱性能に限りがある構造です。一方で、屋根全体の断熱性は、熱伝導率だけでなく、厚さや層の構成、劣化の状態によっても変わります。

改修にあたっては、断熱層を加えるカバー工法や、日射対策としての遮熱塗装、吹き付け材によって断熱層を付加する方法など、複数の選択肢があります。屋根の劣化が進んでいる場合には、断熱性能だけでなく、防水性や屋根材、固定部、下地の状態などもあわせて確認することが必要です。

工場のスレート屋根の強度に不安がある方は、まずは専門的な診断を受けることをおすすめします。そのうえで、適した業者に依頼しましょう。

屋根の状態に合わせて選ぶ
工場の屋根改修業者3選

ダクトなど凹凸のある屋根

ダクトなど凹凸のある屋根
SOSEI工法
瞬間硬化で凹凸もカバー
短期の施工でコストを抑えやすい

トヨコー

おすすめの理由
  • ダクトなどの凹凸や複雑な形状にも、吹付施工で対応しやすい
  • 屋根表面のみを施工するため、屋内側の操業への影響を抑えながら施工を計画しやすい※1
  • 瞬間硬化により短工期を目指せ、10日間で最大10,000㎡を施工した実績がある※1

フラットで障害のない屋根

フラットで障害のない屋根
金属カバー工法
金属製の屋根材を重ねる工法で
平坦な屋根でコストを抑えやすい

綿半ソリューションズ

おすすめの理由
  • フラットで障害の少ない屋根では、資材加工の手間を抑えやすい
  • 既存屋根を撤去せずに施工するため、操業を止めずに工事できると案内されている※5
  • 外装に穴を開けずに施工でき、切屑などの粉塵が建物内に飛散する心配を抑えられる

剥がれや欠損がある屋根

剥がれや欠損がある屋根
葺き替え
強風でも剥がれにくい屋根に一新し
トータルコストを抑制する

テイガク

おすすめの理由
  • 特許取得済み※2の金属下地による、高い止水性が特徴
  • 強風時の漏水や棟の剥がれに配慮した屋根へ一新できる※3
  • 15年保証※4により、長期的なメンテナンス負担の軽減を目指せる

※1 参照元:トヨコー公式HP(https://www.toyokoh.com/sosei/)2025年12月時点の公式サイトの記載より
※2、3 参照元:テイガク公式HP(https://yanekabeya.com/esunuki/)
※4 2025年11月18日にGoogle検索「工場 屋根改修」と検索した際に表示された上位25社の業者のうち、工事保証期間が最長。葺き替えと金属製の棟下地を組み合わせた特定の工事を行うことが条件となります。
※5 参照元:綿半ソリューションズ公式HP(https://wkcover.jp/)

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